猫と暮らす洋裁店magical は、現在準備中です。

2024/07/20 14:54



暑いね。夏いね。本当に、体がついていかないよ。


先日書いた虐待の現場は、今月中旬で現場入りは一段落(のはず)。

あとは保護された猫ちゃんたちのご縁探し。



と、ここまで書いた後の言葉が見つかならくて、何度も閉じてしまう。


でも今日は更新しよう、今日こそは更新しようと、とめどない感情と向き合うことにしました。




現場の家主はやっていることが虐待だという認識がなかった。
あくまで猫が好きで、自分たちなりにかわいがっているつもり。
それが、わたしと会話していくうちに、これっておかしいのかもって気がついたのが家主の娘さん。
わたしは娘さんのことをちょっとしたことから知って、彼女と話しているうちに今回の現場に辿り着きました。


娘さんは生まれた時からその環境にいたから認識することが難しかったんだと思う。
でも、どこかきっと疑問にも思っていたり、彼女の母親(家主)にいろいろ注意しても聞いてもらえない事実もあって
自分の猫ではなく、母の猫なんだっていう言い分もあって
いやでも一緒に暮らしているならあなたがお世話をやりなさいなんだけど。

それでも今回の発覚を機に、第三者が入ったことで彼女なりに今は頑張っている最中。


発覚時にあまりの凄惨さに、これは虐待です。こんなことしてはダメですって何度も何度も何十回も繰り返し伝えて
こんなことしないでって伝えて。もう動物とは暮らさないでってお願いして。

でも、それがとても難しいらしい。わかっていると口では言うけれど、わかってくれない。理解してくれない。

規制することもできない。そんな権力が、わたしにも誰にもない。

問題はたくさんあって。

今回、わたしがこの現場を発見するまで、家主に対する支援者たちの目に触れていたはずなのに
「かわいそうだ」「心配だ」って、口で言っても
だれひとり、猫のために『行動』してくれる人がいなかった。


もともと、娘さんから猫がたくさんいる家だとは聞いていて
避妊去勢をしていない、庭にも猫がいるのでご飯をあげていると言うので、
それはよくないね。愛護団体の代表をしている方を知っているので相談してみましょうか。と聞いたところ
ぜひお願いしたい!と言われ、TNRも含めて避妊去勢を団体さんに相談したところが始まりでした。
じゃあ県のチケットがくる頃に一度見に行きましょうと。そんな話になっていたんだけど…

その後日の雑談の中で、それ虐待じゃない?ってことを娘さんが言い出したので、本人に虐待じゃない?犯罪じゃない?って伝えて
本人も、自分から母親に言っても伝わらない、聞いてくれないって困っていることを教えてくれて
第三者から注意してほしいとまで言うので
わたし、愛護団体の代表に話したんだけどすぐに動けなくて。


そこで県の動物愛護センターにも電話で相談したけれど
ほんっっっっっとうに全く取り合ってもらえなかった

虐待かもしれない。とにかく、すぐに誰かに現場を見にいってもらえないでしょうか?
と伝えても、虐待なら警察に言ってくださいって話になります。
とりあえずあなた行ってみてください。と言われて。
だいたいその人が言っていることも事実かわからないですよね。とか言われて。


うん、だから確認しに行って?なんだけど。


えっ???は????ってなった。
わたし一般人だよ?虐待かもしれない現場にひとりで??
指導する立場も権限もないのに????
向こうの家庭からしたら、お前誰だ?って話になってしまう。

団体さんにも相談しているなら、センターが入ると変におへそを曲げちゃう人もいるから、とりあえず来月にでも団体さんにお願いしてください。とも言われたよ。
(ちなみにわたしが相談していた団体さんの代表は、そんなことでおへそ曲げる人じゃない。って伝えても取り合ってもらえなかった。)


ただの相談者であるわたしの立場からしたら、虐待かわからないからまずはセンターがすぐに確認に行かなきゃいけないんじゃないの?って思うし、事実確認するのがなんで一般人なの?虐待の判断をするのが一般人なの?って疑問に思う。

そもそもね、愛護団体ってボランティアなんだよ。
みんなプライベートの時間を削って、無償で、猫が好きって気持ちで行動してるんだよ。

でもセンターはお給料をもらって、動物の飼育の仕方について指導する立場でしょ?

なんか…シンプルにおかしくね???
なんでセンターが愛護団体さんメインで動かそうとしてんの?

わたしは、センターに入ってもらって、その後愛護団体さんに引き継いだ方が団体さんも入りやすいし、もっとスムーズにいくんじゃないかって思ったんだよね。

虐待かもしれないと通告してるのに、調査すらしないんだ。
え、本当に?え、いいの???そんなんでいいの????です。いや意味わからん。本当に。


他県の愛護推進委員をしている友人にも相談したんだけど
行政って本当におかしくね?????って結論しかでなかった。


結局わたしと団体の代表の方が現場入りしたのがその約1ヶ月後。

人間の虐待ケースでは、こんなのあり得ない。
児童の虐待通告があったら、まずは48時間以内の現認が原則。
通告の時点で、虐待の事実があろうとなかろうと、関係ない。
虐待の現場には必ず2名以上で赴くことも決まってる。


安全確認をなんでできないんだろう。
調査して怒鳴られたりすることが怖いのかな。

それとも動物の法律的立場が弱すぎるの?


あの現場が何年見過ごされてきたんだろう。
何ニャンの子が、辛い目に合いながら亡くなっていったんだろう。
家主は「10以上の子がこの状態で死んだ」って言っていたよ。

40代の娘さんが認識できている数だけで10だよ。きっと、もっといたよ。
その子たちのことを考えると、本当に涙でる。

わたしが今回の事実に気が付かなかったら、あの環境下で生きて死ぬ子が無限に産まれていたと思うとゾッとする。



ちなみに、後日談ですが管轄の警察に相談に行ったら
「まずは県の指導センターに相談してください」って言われたよ。

おお…もう相談したんだよ…警察に言えって言われてきてんだよ…ってなったよ。
(と口頭でも伝えておきました。ふざけんな本当に)

でもわたしもその通りだと思う。
行政が必要不可欠だよ。


ちなみにわたしは警察で、事実と現場の写真を見せて説明したの。
・子犬用のような小さな檻に、ひとり、もしくはふたりの猫が入っていた
・身動きもほとんどできず、体を伸ばすこともできない
・檻に入れられている子はトイレもなく、糞尿はそのままにされていた
・紐で繋がれている子に関しては、トイレに行くのが精一杯なくらいの長さで生活していた
・そのトイレにはおそらく何ヶ月分、下手したら何年分もある糞尿が積み重なっていた(ちなみにわたしがちりとりで削ってもとれないうんちあった)
・紐が50cmくらいの長さの子もいた
・病気で鼻も効かなくなって体調の悪い猫もいるが病院には連れて行ってもらえていなかった
・檻に入れられている猫も繋がれている猫も、一切出してもらえず運動をすることもできず、足腰が弱っている子もいた
・家はかなりの刺激臭で、臭気の測定をすると虐待レベルになると思われる


もっといろいろあるけれど、この辺がメインかな。
これを写真と一緒に事実として伝えたの。

それなのに、警察では虐待とは言えないと言われた。
「檻に入っていたら喧嘩しなくていいねって言う人もいる」とか言われた。


は????????

ビックリじゃない?

身動きのとれない檻に入れられるか繋がれて糞尿まみれ、病気も放ってそのままにしてんのに??
とんでもねぇ臭気だぞ?ノミだらけだぞ?



おまえ虐待について一回勉強してこいよ。


と言う本音は胸の中にしまって、この資料を見てください。こんな法律があって、こんなふうに変わっているのに、それでもこの状況が虐待ではないと言えるんですか?
と、冷静に話しました。

最後の方は、話をする中で警察の方も少し態度が変わった気もしたけれど

いろんな案件を扱っていて、頭を切り替えるのに時間がかかる。とか言い訳みたいなこと言われて。
いや、知らんがな。お前個人の問題じゃねーか。
とは思ったよね。

でもわたしももっともっと法律を勉強して、周りにいる人の意識も変える力をつけたいと思った。
そして警察には、また同じことがあったら動いてくださいってお願いした。
近隣のパトロールもお願いした。

やってくれるかはわからないけれど、何も伝えないよりははるかにいい。


(わたし、地元の警察の方にお世話になる機会があって、とても良くしていただいたので、今回の警察の対応にビックリしました。市が変わるとこんなに雰囲気違うんだって感じました)


虐待ってさ、暴力を振るうだけが暴力じゃないんだよね。

虐待って、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、性的虐待ってあって。
行動を制限されることも、糞尿まみれになることも、新鮮なお水を飲めないことも、全部虐待なんだよ。
動物さんの前で、人の怒鳴り合いの喧嘩をすることも、心理的虐待なんだよ。


これは、わたしの主観で経験上の話だけど、家庭環境に問題がある人ほど動物を飼う。
心の隙間を埋めたいのかな。

でもさ、わたしは動物って癒しの道具なんかじゃないって思ってる。

自分の意思があって、それぞれの性格があって、生きてるんだよ。

ペットだなんて、愛玩動物だなんて、そんな呼び方があるから、そんな存在に当てはめてしまうことが悪なんじゃないかって
そんなふうに思ってしまうんだ、わたし。

だから、飼うじゃなくて、暮らす。共存する。そういうかたちに変えていきたい。

人の都合で振り回していいはずがないんだよ。



もっと、動物の立場が向上するには、どうしたらいいの?
動物福祉と、社会福祉、そういうものの連携って、どうしたらいいの?

それぞれにそれぞれの正義みたいなものがあって立場があって。
そういうことを今回いろんな団体の方と話す機会があって、より考えさせられた。
もちろん、センターや警察にも。
わたしはそれらの機関の中に入って働いたことがないから、知らない部分、わかっていないことの方が多いんだと思うんです。
だから、今回のことはあくまでわたし個人の立場での話や言い分だと思っていただければと思います。
(とても仕事をしてくれるセンターの職員さんや警察もいるって体験談も聞いたことがあるよ)
(あと、これから相談に行く人には、もっと動物愛護法の資料を準備した方がいいよ、とも言いたい。)


きっと、わたしのこの言葉を読んでくださる人は
猫ちゃんが好きで、猫ちゃんのことを想っている人だと思うの。
そういう方は、猫ちゃんや動物さんに対する敏感なアンテナがあって、いろんな情報を目にして耳にして
猫ちゃんの生活を、動物さんたちの立場を、考えて行動していってくれる人たちだと思うの。

でも、虐待をする人たちの目や耳には、これらの言葉は届かない。
こんな事実に興味がないんだもん。
目にする機会がないんだよ。聞く耳も何もないんだよ。

人間が1番で、動物のことまで取り合ってくれない福祉を仕事にしている人もたくさんいて。
そういう人に、動物のことまで目を配ってもらうにはどうしたらいいんだろう。
相談先が明確にあって、機能してくれていれば、諦めないで通告できたり対応できる人ももっとでてくると思うんだ。

どうしたら届くんだろうって、どうしたらあらゆる機関が機能してくれるようになるんだろうって
考えては答えに辿り着けないままの今です、わたし。



でも、発信することをやめたら、それは本当の終わり。
目や耳に届いた人の口コミで…たとえば職場の雑談とかご近所さんの世間話とかでもいいと思うんだ。
どんなことがきっかけになるかなんてわからないから、より多くの人が動物さんたちの現状を知って、たくさん話し合って、目を向けて行動してほしいと願っています。

たくさんの事実と向き合って、これからも周りの人たちと共に考えて、諦めずに共存していきたい。


現場に行くことは一旦終わるけど、しっかり見守り体制を作ったので、本人にも引き続き丁寧にお話しをしていきます。



水面下でわたしの保護活動はつづく



今回の活動に多くの方に相談にのっていただきました。
現場を見て、猫たちを想って悲しくて辛くて苦しくて悔しくて泣いた数と同じくらい
たくさんの猫を想う人の優しさにも触れました。

相談に載ってくださった団体さま
ギリギリのところで呼びかけに応じてくださり、救いの手を差し伸べてくださった団体さま
受け入れ体制を整えてくださった団体さま

四六時中アドバイスをくれて、必死にあの手この手考えてくれて、
一緒に悩んで泣いて喜んで、東京まで車をだして運転してくれた親友彩子。


関わっていただいたすべての方々に深く御礼申し上げます。



猫と暮らす洋裁店から、一部寄付させていだきました。
(ご住所など載っていたところは修正しております)


収益の全部を保護活動にぶっこみ週間がまだまだ続きます。
(でもそれとは関係なしに、いいなぁ、かわいいなぁと思っていただけたら)ぜひ、よろしくお願いいたします。