猫と暮らす洋裁店magical は、現在準備中です。

2024/03/02 16:00





毎週、何度か、通勤中に野生動物さんが道路で亡くなっているのをみる。


今日は、そんな話です。


見かけるたびに、本当にすごく悲しくて。

たぬきさんだったりうさぎさんだったりハクビシンさんだったり…

昔の野良猫時代のパトラさんが、我が子を失って1日中鳴き叫んでいたみたいに
今、鳴き叫んでいる家族がどこかにいると思うとやるせない気持ちになる。



もう十数年前のこと。

母が運転中にほんの数メートル先から突然小さな動物さんがパッと2頭飛び出してきて
そのうちのひとりと接触してしまった。
(時間はお昼の3時頃だったと思う。明るい時間で本当に急に飛び出してきたのでビックリした)

接触後、動物さんは少し足を引き摺りながらもサッと走って森の中に入ってしまって。

その時は慌てて車を止めて、どこ行った!?って一生懸命あたりを探したんだけど見つからなかった。



帰宅して、ドライブレコーダーを何度も何度も一生懸命確認して、それでも一瞬のことでボヤけてるし、何の動物さんかわからなくて。
図鑑やネットで検索して、たぬきさんかな、アナグマさんかなって‥

きっと怪我してる。どうしよう。治療できないか。どこにいるんだろうって。
もう接触してしまった日から家族総出でとにかく必死で探し回って。
でも見つかるわけもなくて。

市の環境課や県民センター、他にもいろいろ、思い当たるところに問い合わせて出向いて、心配でなんとかならないかって相談して
ドライブレコーダーの映像を見てもらって、専門の方に話を伺ってそこでやっと動物さんがたぬきさんだってわかって。

でもね、たぬきさんは害獣だから、手が出せないみたいなことを言われて。

本当にさ、人間って勝手だなって思うんだよ…害獣ってなんだよ。

それでも母は、運転していた自分に責任があるからって。
たまたま逃げて行った森が市の持ち物だったので、監視カメラを買って設置許可をもらって
1ヶ月くらいだったかな。設置したんですよ。
設置しては見に行って写ってないね‥って消沈して。

その必死の捜索の中で、近くの田んぼを耕していた人がいたから
「足を引きずってるたぬき見てませんか?」って聞き込みをしたら
「見てないけど、ここはしょっちゅうたぬき死んでるよ。」って言われて、またすごく悲しくなった。


結果的に探したたぬきさんは見つからなかった。



でも、その必死の捜索の中で職員の方に聞いた話によると
たぬきさんがふたり一緒だったので、たぶんつがい。
どちらかが怪我をしたら、つがいがお世話をすると思いますって言われて。


後にNHKの番組だったかな…。(たしか写真家さんの話だったかな)
たぬきさんはつがいが交通事故なんかで亡くなってしまったら、道路脇に移動させたり、枯葉をかぶせて弔ったりもする。
そして何度も亡くなったつがいの事故現場に行ってしまうから、つがいもまた事故に巻き込まれることも多いとか。

たぬきさんってすごく愛情深い動物なんだって、初めて知った。


母は涙を流しながら、もうここの道は車では通らないって決めて、遠回りでも避けるようになった。


結局見つからなかったし、何もできなかった。
本当に突然すぎて、どんなに頑張っても接触は避けられなかったと思うけど
今後そこの道でうちが接触事故を起こすことは避けられる。

泣いている母に、やれることは精一杯やったよって声をかけたけど
もっと捜索方法に他の正解があったなら、知りたい。

害獣とか駆除とか殺処分とか、わたしはどうしてもその不条理に納得できなくて。
やたらめったら殺していくことで解決するとも正解とも、思えなくて。

例えば見つかったとしても野生の動物さんにどこまでできるのかわからないけれど。
でも何もできないよねって諦めることはしたくないんだよ。


そもそも人が土地を開発しすぎてるんだよね、きっと。動物の食住を奪いすぎてる。
わたしも家に住んでいるし車を運転するし、道路ももちろん走るわけだから
その便利さの恩恵をこうむっていると思うと何も言えなくなるけれど‥

でも、じゃあこのままでいいかと言われたら、違う。
人間至上主義は違うと思うんだよ、わたし。


どうやったら野生動物さんと共存できるんだろうね。
わからない。
でも、ずっと考えていきたいしできることは行動したい。



話は少し変わって。
先週、通勤中に小さなたぬきさんが道路脇(道路と歩道の間くらい)で亡くなっているのが車から見えて。

正しくは、カラスがとまって突いていたのが見えた。

カラスって真っ黒だから、運転中に視界に入ってきて
パッとみたらカラスが小さなたぬきさんの上にとまって突いていたんです。

きっとまだ子ども。本当に小さかった。
長毛のキジトラ猫みたいな色のふわふわの毛。
こちらに背中を向けて横たわってた。
まるで生きているみたいに、そこに横たわってた。

運転中だったから一瞬しか見えなかったけど、あれは確かにたぬきさんだった。



でもさ、いつも誰かが亡くなっていても、翌日通る時にはいなくなっていることがほとんどなんだけど
亡くなっている場所がほぼ歩道だったからか、その子は翌日もかわらずそこにいた。

小さなふわふわな毛がまた一瞬見えた。


県道沿いで、民家とも距離があり、歩道はあれど人は滅多に通らない。
でも国道につながっている道なので、車は毎日朝から晩までビュンビュン通る。そんな田舎道。
見晴らしも悪くて路駐もしにくい、そんな場所。

もしかして、子ダヌキさんの親が見にきて歩道まで引きずったのかなとか考えてみたり。
どうしたらいいんだろうっていろいろ調べてみると
出てくるのは「廃棄物」として「回収」そんな話ばかりで。

ゴミみたいに捨てられちゃうのはな…。

2日後、その道を通る時にまだいたらどうしようか。と思いながら通ったら
その日もいた。

どうにかしないと。

ゴミみたいに捨てられてしまうのなら、せめて、わたしが行ってどうにか埋葬できないのかなとか…
でもどこに埋葬??そんな土地もないし…
うちは何十キロも離れているけどどうやって持ち帰ろうとか‥
野生の子だけど病気とか、大丈夫なのかな…とか
お庭にそのまま埋めてしまったら、子どもとはいえ猫ちゃんよりは大きそうだし…
腐敗していくことは予想できる中で、衛生的にはどうなんだろうとか…
近隣の方へのご迷惑とか…
野良猫ちゃんが掘り返してしまったら(どんな病気を持っているかもわからないし)まずいよなとか…
本当にいろんなことを考えて調べたりしてみて。


だめだ!このままじゃ日にちが経つだけ。何も進展しない。
その日の夜の天気予報は雨。風も強い。

だから思い切って仕事終わりに管轄の市役所に問い合わせてみた。


そしたら、担当の方が思っていた以上に親身に話を聞いてくれて。

お亡くなりになっている子、どうなるんですか?ゴミみたいに捨てられちゃうんんですか?って聞いたら
「ペットの火葬とかしている業者さんと契約していて、そちらが火葬とか行います」って知らせてくれて。

そっか、火葬か!(全然思いつかなかった…)
少しホッとして、お願いすることにした。

もともと散歩中に道でお亡くなりになっている鳥さんとか、お庭にそのまま埋めていたので
火葬って考えが全然なかったです、わたし。(アホやんな)

でもこのままわたしが埋葬する場所を探して見つからないって日にちが更に経過してやきもきしているよりも
小さな遺体が雨ざらしになっているよりも、きっといい。

あたりの土地に所有者もわからないし話もできない中で、勝手に埋めてしまうことはできないし
これが今のわたしにできる最善だったかな…と思って、なんとか無理やり心の整理をつけているところです。今。
少し日にちがあったから、おとうさんおかあさんもお別れできているだろうし、きっと。
(となんとか思い込もうとしてるわたしは弱くて身勝手だなって思う。こういうところで、わたしは間違いなく人間なんだなって自覚する。)

でもこれ以上はおとうさんおかあさんが更に事故にあったら辛いし。


でも、どうすることが…正解はなんだったんだろう。

どうやったら共存できるんだ、本当に。
動物の命を、人は人の都合で勝手にむやみやたらに奪うのに、襲われたり田畑が被害を被ると害獣だって。
あっちでは増えすぎました。殺しましょう。
こっちでは減りすぎました。増やしましょうって。

殺しているだけじゃ、適切な解決にはならい気がするんだよ。
実際に襲われた人を見ろって言われても、やっぱりわたしはそう思っちゃうんだよ。
せめて今以上に住む場所や食料を奪わないように考えて行かなきゃいけないって思うんだな…


ああ、もうきっと数日前に火葬されていると思うけど
せめて、業者さんの名前を聞いて火葬に立ち会えるのか聞けばよかったって今これを書きながら思った…(迷惑かな…)

事故現場の近くでどこか駐車できるところ探して、お花をそなえてこようと思います。



本当の本当は、おとうさんおかあさんの近くで埋葬してあげたかった。

次は誰かの悲しい事故に遭わず、おとうさんおかあさんと元気でご機嫌に過ごせる命に生まれ変わりますように。