猫と暮らす洋裁店magical は、現在準備中です。

2023/06/14 13:35



それは、本当に突然のことでした。


4月22日 19:30

ソファで眠っていたくぅちゃんがウェー!っと急にえずきました。

あれ?何か吐いちゃったかな?と思って確認しても
何もない。

あれ、なんだったんだろう?って思って、そこまで気にとめていませんでした。

その日のくぅちゃんは、いつも通りお昼ご飯を食べて、その後スヤスヤ寝ていました。
そう見えました。

でも、19:00の人間のご飯の時に、いつもならご飯をおねだりにくるのに
その日はずっとソファで寝ていました。

時々あるんです。そういうことも。
そういう時はお腹が満足しているんだな。そう思っていました。

でも、今回は違いました。

20:20と20:50にまたえずき、咳のようなものをしました。
相変わらずなにも嘔吐物はない。
試しにちゅーるを半量ほど持って行ったらすぐに飲みました。

なにかおかしいと感じ始めましたが、ちゅーるを食べてくれて少しだけホッとしました。

21:00 他の猫ちゃんたちにご飯をあげました。
普段ならくぅちゃんも一緒に食べますが、その日はご飯のお皿をお顔に近づけると嫌がりました。

22:00 心配になって、ストックしている酸素缶を吸わせました。
(スポーツの後とかに吸うやつです。通院のために車に乗ると開口呼吸になり、呼吸ができなくなるので、いくつか酸素缶をストックしています)

何か炎症が起きているのか?
そういえば、3日1度のステロイド、飲ませる日だ。
脳裏によぎりました。


23:00 尿結石用の療法食は嫌がりましたが、オヤツ代わりにあげている市販のカリカリを5粒ほど食べてくれました。

むやみに素人がステロイドあげたらどうなるんだろう…って気持ちと
ステロイド欠かさないと悪性腫瘍が顔をだすかも…という不安。
でも、もしかしたら炎症を抑える薬だし、改善するかも。

悩みましたが、カリカリの後にステロイドも口に放り込みました。

これで、よくなってくれたら…
そう思いました。


それから時間が経過するたびに、どんどんくぅちゃんの体調は悪化していくのです。

夜通し、くぅちゃんと過ごしたけれど、途中でもしかするともしかするかもしれない。
そう覚悟して、もう最期かもしれないとAM3:30に両親を叩き起こすくらい、悪化しました。

◯くぅちゃんという猫ちゃんについて

2014年に保護した年齢不詳のブラックスモークの、おとなの猫ちゃんでした。

・尿結石(油断するとすぐ膀胱炎になる)
・鼻咽頭狭窄症
・肥満細胞腫
・肝臓疾患
・肺疾患
・漏斗胸
・胸骨脱臼
・猫エイズキャリア

これらが現在のくぅちゃんの持病です。

尿結石…くぅちゃんはストルバイト結石ができる病気です。何度も石がつまってカテーテルを経験しています。特に尿道が細い体質なようです。療法食で向き合っています。

肥満細胞腫…悪性腫瘍(ガン)です。皮膚型と内臓型があり、くぅちゃんの場合は皮膚型。
耳の付け根から耳にかけて大きいものがあり、2020年に手術をするもすべてはとりのぞくことができず、分子標的薬を試すも合わず、現在は3日に1度、ステロイドを飲み続けています。

肝臓疾患…食欲不振で血液検査をしたところ、肝臓の数値が異常値で、ユベラNとウルソというお薬を飲み続けています。

鼻咽頭狭窄症…鼻の奥、喉の手前の呼吸器官が狭くなっており呼吸がしづらい疾患。常に呼吸と共に「ブーブー」と呼吸音がしている状態です。


大学病院で手術をしていただいたのですがうまくいかず、現在はとにかく湿度を上げてQOLを高めるようにしています。
手術の前検査の際に、肺があまりきれいじゃないこと(鼻咽頭狭窄症を患うとほぼそうなるらしいです)
漏斗胸で生まれつき呼吸に疾患を抱えていること
酸素は70%程しか吸えていないということがわかりました。
(通常の人の酸素濃度は97%ほどで88%ほどで気絶するような数値だそうです。本当にくぅちゃんは頑張って呼吸をして生きているのです)

漏斗胸…生まれつき胸骨に奇形が生じ、体の内側に窪んでしまっている状態です。横隔膜呼吸でなんとか呼吸している状態です。

胸骨脱臼は突然呼吸困難になった時にレントゲンを撮って発覚しました。
ものすごいおもいきり蹴られたり、事故に合わないと起こらないようで、かかりつけの獣医さんも獣医をやってきて初めて見たと言っていました。


たぶん、運が悪いんです。
そう思うしかない。

だって、呼吸にリスクがありすぎる。

くぅちゃんは、保護した時点で牙が1本もなく、折れた状態でした。
保護後、抜歯の大手術を経験しています。
誰かに蹴られたのか、それとも事故なのか。大きな駐車場が隣接している場所に住んでいるので、車に轢かれた可能性もあります。

特に、黒猫って暗闇では全く見えません。

くぅちゃんを保護してから7年、何度も何度も野良猫という運命の悲しい現実を突きつけられて、ひとり泣きました。

くぅちゃん、こんな状態で野良猫を何年も本当に頑張ったね。
生きていてくれてありがとう。

◯その夜の経過

今日は長い夜になると感じました。

0:04 ステロイドを飲ませてから約1時間後、またえずきました。
1:00 えずく
1:13 ウー…ヒックとため息のような苦しそうな声をだす
1:27 えずく
2:11 えずく
2:21 えずく
2:30 ちゅーるを2/3食べて水をシリンジで50mlほど与える
3:20 えずいて呼吸が早くなる 少し歩いてトイレの前でじっとする
4:25 排便
4:30 嘔吐  黄色い液体(ちゅーる?) 開口呼吸が始まる。かなり苦しみ出す
5:48 嘔吐
6:00 休憩しながら歩いてベランダに出る
その後、私が食事や他の子のお世話をして、病院に行く準備をしました。

夜、ぐんぐん体調が悪化していくくぅちゃんに何もできず、何度も覚悟しては
「くぅちゃん。大好き。絶対大丈夫だからね」「ずっと一緒」って何度も声をかけて体をなでました。

何が大丈夫なんだ。と思いながら覚悟しつつ、くぅちゃんの生命力をどこかで信じていました。

◯病院に連れて行く

朝の9時半頃だったかな。寝不足すぎたので、父に運転してもらいました。
片道40分くらいかかる場所に通っているかかりつけです。
病院について、くぅちゃんを車に置いて、先にわたしだけ受付に行きました。

受付で看護師さんに「どうされましたか?」って聞かれました。
いつも受付の看護師さんが猫ちゃんの様子を聞いてくれるんです。
だけど、いかんせんわたし、寝てないんですよ。
頭がぜんっぜん働かない。頭に浮かぶくぅちゃんの症状を全然まとめられない。

「えっと‥くぅちゃんなんですけど。昨日から呼吸が変で、今も早くて。あ、いや、昨日何度もえずいていて、どんどん悪くなって夜中に何度か嘔吐して。あ、鼻咽頭狭窄症なんですけど。あ、開口呼吸して。」

みたいなかんじですよ。
やばくないですか?何言ってんの?なんですよ。

でも看護師さんが私の話を聞きながらくぅちゃんのデータをPCでパパッと見て
「先に酸素室に入れた方がいいかもしれないのですぐ連れてきてください。先に先生に酸素室必要か診てもらいます」って。

結構混んでたんですよ。待ってる人いっぱいいて。
そんなふうに言われたの初めてでして。
いいのかな…と思いながらもありがたいと思ってね。
くぅちゃん、病院に置いていかれるのが嫌で、いつも帰宅時には家に着くとにゃーにゃー!(家に帰ってきた!)って言うので
「大丈夫、一緒に帰れるからね」って言って車から出して看護師さんにお願いしました。

余談ですがこの看護師さん、すごく若いんです。たぶん20代前半かな?って思っています。
最近入ったので新人さんかな〜なんて最初は思っていたけどそんなことない。すっごくしっかりしてる。びっくりするわ。
ホームページで紹介されている経歴を見ると、すごく優秀な方がやっている夜間病院で働いた経験があるようなので、急患にも慣れていて経験豊富なんだと思います。

ぼんやりして支離滅裂な私の意図をすぐに汲んでくれてこの判断の速さですよ。

◯4月23日 診断から入院

診察室に呼ばれたら、酸素室に入っていたらしいくぅちゃんが先に連れてこられていました。
体温は低体温。本来発熱すると思うけど、うまく熱が出せていない状態だと思うとのことでした。
先生が血液検査とレントゲン撮りましょうと。

血液検査をする時に、体を横にして後ろ足から採血するんですが、くぅちゃん本当に苦しがって。
横にするの本当にかわいそうで。

それでも血液検査はしてもらわなきゃいけないから。
がんばれがんばれ、えらいね。えらいね。そんなことしか言えない。

家族って、本当に何もできないんですよね。

血液検査とレントゲンの結果、診断は『誤嚥性肺炎』でした。

その時の血液検査がこちら

このSAA 血清アミロイドAというのが通常値5.49までなところ、67。
何か急激な炎症が起こっているということでした。

レントゲンの写真は全部撮り忘れたんですけど、誤嚥性肺炎で肺が白くなる部分っていうのは決まっている?みたいなんですね。
ここが白くなって肺がきちんと膨らむことができてない。ここが白くなるのは誤嚥性肺炎ですって言われました。
(本当はもっと詳しく教えてくれたのに覚えてない。ごめんなさい)

検査結果と一緒に、先生が「今日はこのまま入院してもらおうと思っていて。とにかく今日から頑張ってもらってなんとか週末、ゴールデンウィーク前に帰れるようにしたいなと思っていて」って言い始めて。

わたし、パニックですよ。
だって、点滴とか抗生剤を打ってもらったら一緒に帰れると思ってたんです。

くぅちゃんにも、置いていかないからね。一緒に帰れるからねって、車の中で声かけてたんですよ。


先生がさらに言うんですよ。

「誤嚥性肺炎って本当に怖くて、みるみる悪くなってそのままお亡くなりになることもある。」

わたし「え…わたし亡くなる時は絶対に家でって決めてるんです」
先生「そうですよね。わかります。でも、かといって今日この状態で帰すって判断ができません。毎日点滴と抗生剤と打つのに通ってもらってって考えるとあまりにくぅちゃんの体に負担が大きすぎてきついと思います。」

もう診察室で半泣きですよ。
「だってくぅに今日帰れるからねって言っちゃったのに!!!!」

って言ったら笑われました。ええ。

先生が「わかりました。くぅちゃんに訂正しておきます。来てすぐみた時に、これは今日帰すのは難しそうだなーと思いました。正直、くぅちゃん苦しすぎて意識朦朧みたいなかんじでよくわかってないと思いますよ。」って言われて。

その後、くぅちゃん酸素室に入った後に会いに行ったら、よこたわっていたけどにゃーんって鳴いて。

先生は意識朦朧でわかってないって言ったけど、たぶんわかってると思う。
だって、くぅちゃん強いから。天才だから。

ごめんね。くぅちゃん。嘘ついちゃったね。絶対迎えにくる。
明日も会いにくる。くぅの大好きなお母さん連れてくるから。
(たまたま日曜で午後休診のため、面会できるのは翌日でした)

そう言って、わたしはくぅちゃんを病院にひとり置いて、帰宅することになりました。



長くなったので、その2に続きます。
次回、医療費や現在の状況についてお伝えしますね。